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高気密・高断熱のメリット 省エネだけじゃない、本当のメリットとは?

近年、日本でも高気密・高断熱の家が普及し始めておりますが、その本当のメリットをご存知でしょうか。省エネや光熱費削減といった漠然としたイメージはあるけど、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
実は、断熱・気密性能を上げることで「省エネ」になるだけでなく、室内環境の「質」を上げることができるのです。では「質を上げる」とは具体的にどういうことなのでしょうか。それぞれの効果を正しく理解して高気密・高断熱の本当のメリットを知りましょう!

小さなエネルギーで快適に 冬でも暖房無しで過ごせる家!?

①一般的な家(UA値0.87W/㎡・K、H28年省エネ基準)と、②高断熱の家(UA値0.46W/㎡・K、断熱等級6)を比較をしてみましょう。(※6地域)
(※UA値とは1㎡あたりの熱損失量を表し、この値が小さいほど熱が逃げにくい高断熱の家ということになります。)
図のように、南面に掃き出し窓が1か所付いた10帖の部屋があったとします。
【熱損失】外気温5度、室内温度22度で換気(第3種)による熱損失を考慮すると、それぞれの熱損失量は①一般的な家の場合1220W、②高断熱の場合700Wになります。
【熱取得】日当たり良く計画されている場合南面の窓(2m×1.8m)から約600Wの熱取得が期待できます。また、人体発熱が約100W/人であるため一人在室する場合は合計700Wの熱取得が期待できます。
①一般的な家の場合、熱取得より熱損失の方が大きい(熱損失:1220W > 熱取得:700W)ため、それを補う暖房が必要です。
一方、②高断熱の家の場合「熱損失 = 熱取得(700W)」となります。つまり、冬でも暖房無しで22度の室温がキープできるということです。
このように、高断熱の家は熱が逃げにくいため冷・暖房のエネルギー消費を小さくすることができます。
ただし、冬でも暖房無しで過ごすためには断熱だけでなく日射取得の計画も重要です。夏は日射を遮り冬は積極的に取り込む「パッシブデザイン」と、熱を逃がさない「高気密・高断熱」、両者をバランス良く行うことで冷暖房機器に頼りすぎない省エネで快適な暮らしが実現できます。

体感温度の改善 室温と体感温度は違う!

古い建物で「暖房しているのになんだか寒い」と感じたことはありませんか?これは断熱不足による体感温度の低さが原因です。
人の体感温度は「(空気温度+室内表面温度)/2 」で表されます。空気温度が高くても表面が冷たいと輻射熱で体が冷やされ、不快に感じるのです。
冬の空気温度と室内表面温度の差は①低気密・低断熱の家は5~10℃、②高気密・高断熱の家は1℃程度です。図のような条件で比較すると、空気温度は同じでも体感温度には4.5℃という大きな差が生まれます。
低気密・低断熱の家で体感温度を上げようとすると暖房の設定温度・風量を上げる必要があり、エネルギー消費が大きいだけでなくエアコンの風による不快感も増してしまいます。
断熱性の高い家では低い温度設定でも十分に暖かく感じることができます。

上下温度差を小さくする

「暖房しているのに足元が寒い」と感じたことはないでしょうか?これも断熱・気密性が低い場合に起こる現象です。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる性質があります。断熱不足の場合、特に窓の断熱性が低いと窓付近の空気が冷やされ、その冷気が足元に溜まって上下温度差が大きくなります。
低気密・低断熱の家では暖房の設定温度を上げざるを得ませんが、空気温度が上がれば上がるほど暖気が上に上がろうする力が強くなります。その上昇気流により建物上部のすき間から空気が抜けると、その分だけ下部のすき間から室外の冷気を引き込み、これが床を冷やします。皮肉なことに、低気密な家で暖房を強めれば強めるほど冷気が引き込まれ「上下温度差が大きくなる → 暖房を強める → さらに冷気が引き込まれる」という悪循環が生まれるのです。
高気密・高断熱の場合、吹き抜けのある天井の高い家でも上下温度差を1~2℃程度に抑えることができ、室温が均一になります。

まとめ

このように、断熱・気密性能を上げることで省エネになるだけでなく、体感温度や上下温度差の改善により室内の温熱環境の質が高まり、健康で上質な暮らしを手に入れることができます。
質の高い温熱環境は暖房の設定温度を下げ、冷暖房の運転回数を減らしてくれるため、机上計算以上の省エネ効果も期待できます。
高気密・高断熱の家は建築費が少し高くなります。ただし、その光熱費削減効果により長期間に渡って固定費を減らし、毎日の暮らしの質が向上して健康に暮らせるのであれば、断熱・気密に費用を投じる価値は十分にあると思います。家づくりの際はぜひ参考にしてください。

仲建設の断熱・気密性能

仲建設ではUA値:0.46W/㎡・K(断熱等級6)、C値:0.5c㎡/㎡を標準仕様としています。
UA値:0.46W/㎡・Kは①で説明した通り冬に暖房無しでも過ごせるレベル(※適切な日射取得が必要です)の断熱性です。
C値:0.5c㎡/㎡は2階建ての家でハガキサイズの半分程度のすき間しかない、というレベルの気密性です。
愛知県で高気密・高断熱の家を建てたい方はぜひお問合せください!